長距離・大学駅伝

第97回箱根駅伝復路の結果を振り返ろう

2021年1月4日

箱根駅伝の復路結果も振り返りたい!想像を絶する結末が待ってたね!
たい太郎
ほんとに!シード権争いも優勝争いも熾烈だったね!

1/2・3の2日間で行われた箱根駅伝が終了しました。

往路終了時点で、5強と言われていたうちの青山学院、明治、早稲田の3チームがシード権外という波乱の展開でした。

復路では往路優勝した創価大学がどこまで逃げ切れるのか、東洋、駒澤、帝京、東海がどこまで追い上げられるか注目でした。

復路も区間ごとに内容を振り返り、全体を通した総括をしていきます。

往路結果については以下の記事にて記載しておりますので、往路からチェックしたい方はこちらからどうぞ。




第97回箱根駅伝復路結果

6区:芦ノ湖(START)〜小田原中継所(20.8km)

標高差840mを一気に駆け下る山下り。近年は山登りと同じくらい重要度が増しており、高速化と激しい抜きあいが起こる。

1月3日午前8時に往路の順位とタイム差を受けてスタートする6区。往路優勝のゴールから10分以内にゴールしたチームまではその時間差を開けてスタート。10分以上経過していたチームは8時10分に繰り上げスタートとなります。初めは5kmは山上り、最高地点に到達した後は一気に駆け下るコースです。

往路優勝した創価大学は2位と2分14秒を空けて余裕を持ってスタート。無理のないペースで快調に進めていきました。東洋大学と駒澤大学は7秒差でスタート。開始早々に東洋大学を捉えると創価大学より早いペースで進めていきます。帝京大学は序盤からペースが上がらず、スタート時に56秒の差があった東海大学が4km過ぎに抜き去りました。シード権争いでは早稲田大学と青山学院が好調に飛ばし、9kmの小涌園前で拓殖大学を抜いてシード権内に。その後ろでも中央大学や国士舘大学は順調に飛ばし順位をあげてきました。最終的に創価は首位を守り抜き小田原中継所を通過。しかし、小刻みにタイムを詰めていった駒澤大学は1分10秒ほど詰め、今大会唯一の57分台で区間賞を獲得。一気に復路逆転のきっかけを掴みました。東海大学は函嶺同門手前で東洋大学を抜いて3位に浮上。川上選手も初出場ながら区間5位の快走でした。帝京大学と東京国際大学が苦戦し順位を落とし、順天堂大学、神奈川大学、青山学院大学は順位をあげました。

6区終了時の順位

  • 1位:創価大学(6:28:05)[1→1]
  • 2位:駒澤大学(+1:08)[3↗︎2]
  • 3位:東海大学(+3:23)[5↗︎3]
  • 4位:東洋大学(+3:30)[2↘︎4]
  • 5位:順天堂大学(+4:40)[7↗︎5]
  • 6位:神奈川大学(+6:09)[8↗︎6]
  • 7位:東京国際大学(+6:18)[6↘︎7]
  • 8位:國學院大学(+6:34)[9↗︎8]
  • 9位:帝京大学(+6:53)[4↘︎9]
  • 10位:青山学院大学(+6:59)[12↗︎10]
  • 11位:早稲田大学(+7:10)[11→11]
  • 12位:城西大学(+7:58)[13↗︎12]
  • 13位:明治大学(+8:53)[14↗︎13]
  • 14位:拓殖大学(+9:08)[10↘︎14]
  • 15位:国士舘大学(+9:52)[17↗︎15]
  • 16位:日本体育大学(+10:04)[15↘︎16]
  • 17位:法政大学(+10:32)[16↘︎17]
  • 18位:山梨学院大学(+10:47)[18→18]
  • 19位:中央大学(+11:06)[19→19]
  • OP:学生連合(+18:53)
  • 20位:専修大学(+23:16)[20→20]

個人区間順位

  • 1位:駒澤大学:花崎悠紀(57:36)
  • 2位:順天堂大学:清水颯大(58:06)
  • 3位:青山学院大学:高橋勇輝(58:13)
  • 4位:國學院大学:島崎慎愛(58:39)
  • 5位:東海大学:川上勇士(58:45)

7区:小田原中継所〜平塚中継所(21.3km)

近年はエース級の選手が多く投入され、重要度が増した区間。風と気温の変化への対応が重要で、優勝やシード権争いもより熾烈に…?

7区は全体の中ではつなぎの区間の印象が強いですが、故障明けの実力者や準エースも起用されることも増え、レベルが高くなった区間です。気温の変化があるので、途中から急激にペースを落とす選手も少なくありません。

7区終了時の順位

  • 1位:創価大学(7:30:09)[1→1]
  • 2位:駒澤大学(+1:51)[2→2]
  • 3位:東海大学(+4:26)[3→3]
  • 4位:東洋大学(+5:12)[4→4]
  • 5位:東京国際大学(+6:16)[7↗︎5]
  • 6位:順天堂大学(+6:48)[5↘︎6]
  • 7位:青山学院大学(+7:01)[6↗︎7]
  • 8位:國學院大学(+7:39)[8→8]
  • 9位:帝京大学(+8:10)[9→9]
  • 10位:早稲田大学(+8:20)[11↗︎10]
  • 11位:神奈川大学(+8:44)[6↘︎11]
  • 12位:城西大学(+9:48)[12→12]
  • 13位:明治大学(+10:24)[13→13]
  • 14位:日本体育大学(+11:16)[16↗︎14]
  • 15位:拓殖大学(+11:18)[14↘︎15]
  • 16位:国士舘大学(+11:58)[15↘︎16]
  • 17位:中央大学(+12:00)[19↗︎17]
  • 18位:法政大学(+13:14)[17↘︎18]
  • 19位:山梨学院大学(+13:51)[18↘︎19]
  • OP:学生連合(+20:35)
  • 20位:専修大学(+27:11)[20→20]

個人区間順位

  • 1位:東京国際大学:佐伯涼(1:03:10)
  • 2位:創価大学:原富慶季(1:03:12)
  • 3位:青山学院大学:近藤幸太郎(1:03:14)
  • 4位:駒澤大学:花尾恭輔(1:03:55)
  • 5位:中央大学:中澤雄大(1:04:07)

8区:平塚中継所〜戸塚中継所(21.4km)

序盤は海風を受け、後半は急な上り坂の後にダラダラと続く上りのコース。順位変動は比較的少ないが、勝負を決定づける区間にもなる。

選手層の厚みにより起用法が大きく異なる8区。8区にエースに劣らない走りができると一気に優勝が近づき、シード争いを白熱させる区間です。

8区終了時の順位

  • 1位:創価大学(8:35:19)[1→1]
  • 2位:駒澤大学(+1:29)[2→2]
  • 3位:東洋大学(+4:17)[4↗︎3]
  • 4位:東海大学(+5:54)[4↘︎3]
  • 5位:青山学院大学(+6:20)[7↗︎5]
  • 6位:順天堂大学(+7:12)[6→6]
  • 7位:東京国際大学(+7:34)[5↘︎7]
  • 8位:國學院大学(+7:48)[8→8]
  • 9位:早稲田大学(+8:05)[10↗︎9]
  • 10位:帝京大学(+8:05)[9↘︎10]
  • 11位:神奈川大学(+9:11)[11→11]
  • 12位:明治大学(+9:13)[13↗︎12]
  • 13位:城西大学(+11:56)[13→13]
  • 14位:中央大学(+11:57)[17↗︎14]
  • 15位:拓殖大学(+12:24)[15→15]
  • 16位:日本体育大学(+13:12)[14↘︎16]
  • 17位:国士舘大学(+13:42)[16↘︎17]
  • 18位:法政大学(+14:13)[18→18]
  • OP:学生連合(+21:21)
  • 19位:山梨学院大学(+21:21)[19→19]
  • 20位:専修大学(+29:14)[20→20]

個人区間順位

  • 1位:明治大学:大保海士(1:03:59)
  • 2位:東洋大学:野口英希(1:04:15)
  • 3位:青山学院大学:岩見秀哉(1:04:29)
  • 4位:駒澤大学:佃康平(1:04:48)
  • 5位:早稲田大学:千明龍之佑(1:04:55)

4区:戸塚中継所〜鶴見中継所(23.1km)

華の2区を逆に走る復路の最長区間。復路のエースよりは長い距離や向かい風に強い選手が起用されることが増えてきた。

練習を多く積んできた上級生や期待の下級生が使われる傾向があります。下り基調で比較的走りやすいが、この区間で優勝やシード権争いはいよいよ絞られ、勝負を決めたい区間でもありますね。

9区終了時の順位

  • 1位:創価大学(9:43:33)[1→1]
  • 2位:駒澤大学(+3:19)[2→2]
  • 3位:東洋大学(+6:11)[4↗︎3]
  • 4位:東海大学(+7:26)[4↘︎3]
  • 5位:青山学院大学(+8:02)[7↗︎5]
  • 6位:順天堂大学(+9:16)[6→6]
  • 7位:東京国際大学(+9:19)[5↘︎7]
  • 8位:國學院大学(+9:33)[8→8]
  • 9位:早稲田大学(+10:34)[10↗︎9]
  • 10位:帝京大学(+10:47)[9↘︎10]
  • 11位:明治大学(+9:11)[13↗︎11]
  • 12位:中央大学(+9:13)[14↗︎12]
  • 13位:城西大学(+11:56)[13→13]
  • 14位:日本体育大学(+11:57)[16↗︎14]
  • 15位:神奈川大学(+12:24)[11↘︎15]
  • 16位:拓殖大学(+13:12)[15↘︎16]
  • 17位:法政大学(+13:42)[18↗︎17]
  • 18位:国士舘大学(+14:13)[17↘︎18]
  • 19位:山梨学院大学(+21:21)[19→19]
  • OP:学生連合(+21:21)
  • 20位:専修大学(+29:14)[20→20]

個人区間順位

  • 1位:創価大学:石津佳晃(1:08:14)
  • 2位:青山学院大学:飯田貴之(1:09:20)
  • 3位:帝京大学:橋本尚斗(1:09:25)
  • 4位:早稲田大学:小指卓也(1:9:28)
  • 5位:日本体育大学:野上翔大(1:09:49)

5区:鶴見中継所〜大手町[FINISH](23.0km)

勝負を決する最終区間。平坦で単調なコースだが、距離が長くビル風や向かい風が非常に難敵となる。今年もまさかの逆転劇が…?

長い距離を安定したペースで走れる選手や怪我明けのエース、キャプテンが多く起用される区間です。217.1kmの長い戦いがついに決着。ですが最後の最後まで何があるかわかりません。

最後の最後に凄まじいドラマが待っていました。3分12秒と1人で逃げ切るには十分な余裕を持って創価大学の小野寺選手がスタート。落ち着いたペースで刻んでおり、残り約10kmの時点で1分ほど詰められていましたが、駒澤の追撃には耐えられる程度でした。しかしこの後創価大学のペースが急激に落ちてしまいます。1kmで20-30秒詰められるほど遅くなっており、区間最下位ペース。おそらく体に異変があったと思います…。一方駒澤大学の石川選手は始めから飛ばしており、13.1km時点で区間トップペースでした。この差は非常に大きく、15-20kmの間で一気に差を詰めました。残り2.1kmのところでついに創価大学を捉えると、一瞬後ろについて表情を確認した後一気にスパート。小野寺選手は全くついていくことができないですが、石川選手はさらに元気になってペースアップ。2kmのウイニングランを駆け抜け、見事首位で大手町にフィニッシュ。総合優勝を勝ち取りました。創価大学もなんとかゴールまで襷を運び総合2位を確保。最後は53秒差をつけられましたが、出場4回目で往路優勝かつ4区から9区まで首位を走っており、間違いなく今大会の主役でした。立派な成績だったと思います。3位争いは東洋と青山学院の一騎打ち。9区スタート時には1分15秒の差がありましたが途中で青山学院が東洋に追いつくシーンもありました。しかし始めにハイペースで突っ込んだせいなのか、ゴール時には東洋大学の清野選手が根性を見せ再度突き放して3位を確保しました。青山学院は一歩及ばずでしたが復路スタート時には12位だった順位を4位までジャンプアップさせたのは王者の意地ですね。シード権争いは10位の東京国際大学と11位の明治大学の2校の戦いでした。37秒差で10区スタートだったので十分逆転可能な差でしたが、明治大学の長倉選手のペースはいまいち上がらず。東京国際大学の杉浦選手は粘りの走りをみせ、差を詰められたものの見事逃げ切り10位を確保しました。

以下、総合順位とタイム差です。

総合順位

  • 🥇1位:駒澤大学(10:56:04)[5↗︎2]
  • 🥈2位:創価大学(10:56:56)[1↘︎2]
  • 🥉3位:東洋大学(11:00:56)[3→3]
  • 4位:青山学院大学(11:01:16)[4→4]
  • 5位:東海大学(11:02:44)[5→5]
  • 6位:早稲田大学(11:03:59)[7↗︎6]
  • 7位:順天堂大学(11:04:03)[7→7]
  • 8位:帝京大学(11:04:08)[6↘︎8]
  • 9位:國學院大学(11:04:22)[9→9]
  • 10位:東京国際大学(11:05:49)[10→10]
  • <ーーーーーーーーーーーーシード権ラインーーーーーーーーーーー>

  • 11位:明治大学(11:06:15)[11→11]
  • 12位:中央大学(11:07:56)[12→12]
  • 13位:神奈川大学(11:08:55)[15↗︎13]
  • 14位:日本体育大学(11:10:24)[14→14]
  • 15位:拓殖大学(11:10:47)[16↗︎15]
  • 16位:城西大学(11:11:20)[13↘︎16]
  • 17位:法政大学(11:13:30)[17→17]
  • 18位:国士舘大学(11:14:07)[18→18]
  • 19位:山梨学院大学(11:17:36)[19→19]
  • OP:学生連合(11:18:10)
  • 20位:専修大学(11:28:26)[20→20]
復路順位

  • 🥇1位:青山学院大学(5:25:33)
  • 🥈2位:駒澤大学(5:25:35)
  • 🥉3位:中央大学(5:28:39)
  • 4位:早稲田大学(5:28:47)
  • 5位:創価大学(5:28:48)
  • 6位:國學院大学(5:29:30)
  • 7位:明治大学(5:30:12)
  • 8位:順天堂大学(5:30:32)
  • 9位:東洋大学(5:30:34)
  • 10位:東海大学(5:31:09)
  • OP:学生連合(5:32:24)
  • 11位:帝京大学(5:33:29)
  • 12位:東京国際大学(5:33:43)
  • 13位:日本体育大学(5:33:46)
  • 14位:神奈川大学(5:35:15)
  • 15位:城西大学(5:35:36)
  • 16位:拓殖大学(5:35:46)
  • 17位:法政大学(5:36:16)
  • 18位:国士舘大学(5:36:19)
  • 19位:専修大学(5:38:30)
  • 20位:山梨学院大学(5:32:24)

個人区間順位

  • 1位:駒澤大学:石川拓慎(1:09:12)
  • 2位:神奈川大学:佐々木亮輔(1:09:58)
  • 3位:國學院大学:木付琳(1:10:15)
  • 4位:青山学院大学:中倉啓敦(1:10:17)
  • 5位:中央大学:川崎新太郎(1:10:31)




箱根駅伝総括

終わってみれば割と前評判の高かった大学がしっかりと上位を確保しましたね。駒澤大学は1区こそ出遅れたものの、2区の田澤選手と3区の小林選手でしっかりと挽回して上位に持ってきたことでチームの流れを上向きにできたことが大きかったですね。その後は3位以内でレースを進め、常に優位な状態をキープできました。

東海大学は常に上位でレースを進めて、しっかりと総合5位を確保。初出場選手が多い中でのこの結果はしっかりと育成力があることを示しました。ただ沈む区間もあったので課題も見つかりました。

東洋大学は下級生の実力者がしっかりと結果を残せたことで、2年ぶりに定位置の3位に戻ってきました。特に2区の1年生松山選手は素晴らしい走りでした。最近駅伝で結果を出せていなかった4区の吉川選手も区間6位と役割をしっかり果たせたのも大きかったですね。来年以降に向けても好材料がたくさんできました。

青山学院大学と早稲田大学は往路こそ出遅れたものの、復路順位はそれぞれ1位、4位と層の厚さを示しました。

なんといっても視聴者にとって一番のサプライズは創価大学でしょう。前評判で注目していた人は少なかったですが、全員が安定した結果を残し往路優勝からの総合2位で終えました。昨年は往路終了時は7位と良かったものの、復路は安定せずに順位を落としており、10区嶋津選手の区間新記録でなんとかシード権を確保できた形でした。今年は選手のレベルアップがしっかり結果として表れました。

予選会から勝ち上がった大学でシード権を獲得した大学は順天堂大学の1校のみ。順天堂は終始10位以内でレースを進め、誰も外さない走りができたことでしっかり結果を残せたのではないでしょうか。

シード校でシードを落としたのは明治大学。全日本大学駅伝で3位に入り、今年こそは優勝も狙えると思っていた人も多かったですが、選手が実力通りの走りができない区間が多く流れに乗れませんでした。1区から3区での出遅れが顕著に響きましたね。

またダークホースとしてあげられていた中央大学も苦戦。明治大学と同じく、1区で出遅れた後で2.3区の森選手、吉井選手が悪い流れを変える走りができず失速。また昨年5区で区間9位の畝選手も区間18位と力を出せずにまさかの往路19位。復路は3位と力があることは見せましたが、さすがに往路の出遅れがデカすぎました。

7年ぶりの出場となった専修大学は苦しい展開が続きましたね。選手のレベルが上がっている中で他大学との力の差が大きく出てしまいました。その中でも区間最下位だらけではなく、今後のチーム強化に向けて課題が見つかり、チーム強化に向けて大きな経験ができたのではないでしょうか。

既に来年の箱根駅伝も楽しみになってしまいますね。

  • この記事を書いた人

たい太郎

野球好きのデータサイエンティスト|野球歴14年|プロ野球観戦は10試合/年|応援歌好き:外野席によく出没|ヤクルトファン歴10年|主にプロ野球・野球観戦に関するお役立ち情報や考察を発信|ときどき野球以外。

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